DECENTRA IIは、当社製品で実績のある通信ミドルウェア「DECENTRA」をベースに新しく開発された、マルチホップ通信対応無線プロトコルスタックです。
従来、メッシュネットワークやアドホック通信にはWindowsやLinuxといった贅沢なハードウェア環境が必要でした。DECENTRA IIはたった数キロバイトのRAMと、8bit、16bitクラスのマイコンで動作し、OSも必要ありません。
数台での基本的な通信から、大規模なマルチホップ通信、モバイル・メッシュネットワークまで、多くの通信用途に対応できる汎用的なプロトコル・スタックとなっています。 ワイヤレス製品の付加価値をさらに高める通信ソフトウェアとしてお使い頂けます。
・軽量で汎用的な通信プロトコルスタック(ソフトウェア製品)です。
・2.4GHz, 920MHz, 400MHzなど、お客様の用途に応じて自由に周波数帯を選択できます。
・マイコンのメーカー・アーキテクチャを自由に選択でき、8bit, 16bit マイコンもご利用可能です。
・データを中継して宛先まで届けるマルチホップ通信を標準搭載
・マルチホップでの送達確認と再送制御と標準提供
・収容台数が無制限のツリー型ネットワーク
・データの通過経路が把握できる「ルートレコード」
・中継端末でもスリープを行える「スリーピングルータ」
・端末の移動にも経路が追随する「高速経路切り替え」
・時刻のズレをスタックが自動補正「時刻同期」
・UARTのコマンドインターフェイスを標準提供
ご紹介資料のダウンロードはこちら(PDF)から
DECENTRAII_202009.pdf
1.センドバックで再送制御が適用可能に
SKSENDBACKコマンドでAck要求ありSKSENDと同等の使い方ができるようになりました。
2.1ホップモードを追加
スター型(互いに1ホップ)のみでの利用を想定したモードです。経路形成や経路維持を省略するため、送信前の遅延がなく、制御メッセージとの送信衝突も発生しません。一般的な無線N対N通信と同じ使い勝手でご利用いただけます。
3.新型ツリーモード「コンセントレータ主導構築(CIR)」
各ルータの周期的な経路交換を廃止して、コンセントレータから一括で経路(再)構築をコントロールできるようになりました。経路構築用の制御メッセージ数を大幅に削減でき、データの到達性を向上させます。
4.アダプティブAck制御を搭載
これまでAckの再送間隔と回数はグローバルに1種類のみでしたが、セレクタ番号との紐づけで複数設定を使い分けできるようになりました。ホップ数に応じて再送回数と間隔を可変にする、メッセージの重要度によって再送回数を多めに設定する、といった柔軟な運用が可能になりました。
スタックライセンスをお持ちのお客様には、ご希望の機能だけを選択しての更新も承っております。詳しくは当社窓口までお問合せください。
DECENTRA IIは特定の無線規格に依存しない中立的なプロトコル・スタックです。その特徴を活かして、2019年5月より新たにLPWA系無線でも利用可能となりました。従来のGFSKを使ったサブGHz無線よりも格段に通信距離が長く、超広域でのマルチホップ通信が利用可能です。 各メーカの無線IC、マイコン、独自無線規格への移植も承っています。
動作実績・推奨無線IC LORA: SX127x (セムテック) IEEE 802.15.4k ML7404(ラピスセミコンダクタ)
DECENTRA II搭載の無線デバイスをパソコンに接続して、SKコマンドと呼ばれるコマンドを発行することで、簡単にネットワークを構築できます。
・SKコマンド例:
>SKSEND 1 1000 0002 5 12345
指定した相手にユニキャストで送信し送達確認を求めます。経路がなければ動的に検索し、Ackが戻らなければ自動的に再送します。ZigBeeのようなややこしい接続手順は必要ありません。電源を入れてSKSENDコマンドを発行すれば、経路発見から再送制御まですべて全自動で実行されます。
>SKSYNC FFFF 5
半径5ホップ圏内のデバイスと時刻同期を行います。
>SKSETPS 0 3B
仮想時計が0秒になるとスリープし、59秒に起床する間欠動作を開始します。上記SKSYNCコマンドと組み合わせることで、一斉スリープ、一斉ウェイクアップの同期間欠動作が簡単に実行できます。
量産用の無線モジュール製品をご紹介可能です。sales@skyley.com までお問い合わせください。
DECENTRA II対応アナライザ「SK Catcher」によって、目に見えない無線区間のトラフィックを詳細に観測することができるようになります。DECENTRA IIはパケットの途中経路をすべて記録するルートレコード機能をもっているため、パケットアナライザでデータを観測するだけでマルチホップ通信の通過ルートがすべて把握でき、ネットワークの保守や安定性の分析に効果的です。
PC用解析ソフトウェア「SK Catcher」
専用アンテナデバイス1個付属
解析プロトコル:DECENTRA II, 6LowPAN, IPv6, TCP, UDP, IEEE 802.15.4, ECHONET Lite
周波数帯:920MHz, GFSK, 100kbps
対応OS: Windows 7 以降
各メーカの無線IC、マイコン、独自無線規格への移植も承っています。
動作実績 無線IC: UD2400D (Uniband Electronics) ADF7023-J (アナログデバイセズ) ML7396B (ラピスセミコンダクタ) MN87400 (パナソニック) ML7275 (ラピスセミコンダクタ) 他、実績多数 MCU RL78/G13 (ルネサスエレクトロニクス) FM3 MBA132 (富士通セミコンダクター) PIC32MX 150 (Microchip) ML610 482 (ラピスセミコンダクタ) ワイヤレスMCU CC1310 (テキサスインスツルメンツ) EZR32 (シリコンラボラトリーズ) ML7416(ラピスセミコンダクタ)
コードサイズ:約120KB
必要ランタイムメモリ:約12KB~(最少4KBから搭載可能)
経路制御方式:ハイブリッド型
マルチホップ送達確認:あり
最大ホップ数:6
ヘッダサイズ:31バイト
ホストI/F (SKコマンド)を提供
暗号化:AES-128bit
時刻同期、途中経路表示、優先ルート、固定ルート、高速経路切替 他、多数の機能を備えます
製品のお問い合わせ・ご購入申込先:sales@skyley.com